韓国のサムスングループは17日、2012年の設備投資と研究開発費などの投資総額を過去最大となる47兆8千億ウォン(約3兆2千億円)とする計画を発表した。11年実績比で12%増となる。半導体向けに高水準の投資を継続するほか、今年から薄型テレビの基幹部品に採用する有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)パネルへの投資を増額するとみられる。
サムスン電子やサムスン電機、第一毛織、サムスンテックウィンなどグループ83社の計画を合算して公表した。投資総額のうち設備投資は同11%増の31兆ウォン。比重が大きい半導体ではメモリーのほかシステムLSI(大規模集積回路)に投資を振り向ける一方、価格低迷が続く液晶パネルは絞り込む見通しだ。
大幅増額になるとみられるのが有機ELパネル。韓国中西部の忠清南道湯井(タンジョン)で手掛ける「第5.5世代」と呼ぶガラス基板を使う設備を増設し、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)やタブレット端末向けの生産能力を拡充。さらに大型となる「第8.5世代」基板の設備の導入も始め、年内に出荷する55型の有機ELテレビ用パネルを大量生産する体制を整える。
研究開発投資は同13%増の13兆6千億ウォン。有機ELパネルの大型化技術や半導体の微細加工、リチウムイオン電池の開発を強化するほか、李健熙(イ・ゴンヒ)サムスン電子会長が注力するよう指示しているソフトウエアの基礎技術に重点的に配分する。
12年に前年比4%増となる2万6千人を採用する計画も公表した。大卒で9千人、中途で5千人と11年と同数が入社する一方、生産現場などに配属する技能職の採用を千人増やし1万2千人とする。
日本経済新聞 2012/1/17 11:02 配信
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